★★★★超重要なお知らせ★★★★ アクセス過多でエラーが頻発する状況を鑑みて、ブログを別個新設しました。今後は、新 元馬術選手のコラムにて発信を行ってまいりますので、宜しくお願いします!!

手前の改善は可能? 質問回答

今日は読者さんからの質問に答えていきます。

質問

こんにちは。いつも参考にさせて貰っています。
1つ質問させて下さい。
よく、「この馬は右回りだと走らない」とか今回のアラシさんの記事に出てくるような「手前はこっちの脚の方が良い」とかありますが、これはトレーニングで改善される物なのでしょうか?
自分は詳しくないので、馬はデリケートだから人間の様に強い負荷をかけてひたすらグイグイやる様な事は出来ないと想像してしまうのですがどうなのでしょうか。
トレーナー側も全く手を打たないでおくとも思っていません。
よろしかったら回答お願いします。

回答

凄く良いご質問だと思います。これはもう、本当に乗っている人でないと感触を持てない事ですね。

まず、手前に関してはご存知ない方は下記リンクをご参照いただくとして、

http://www.nagoyakeiba.com/knowledge/uma/qa17.html?keepThis=true&TB_iframe=true&height=500&width=770

手前の変換について改善が可能かどうか、と言うご質問にお答えしますと、

「訓練により改善は可能」という事になります。

改善の方法ですが、ハッキング(軽めのキャンター、準備運動や基礎トレ?のために行う)で苦手手前を重点的に行う、常歩の状態でも苦手手前の方に手綱を張ったりバランスを移して歩かせる、などの方法があります。

質問者さんが仰るとおり、グイグイ強い負荷をかけるのは手前の改善に関して言えば、不適切です。あくまでも手前を改善させればよいのですから、軽めの負荷で行います。特に軽めの負荷は「長時間できる」「毎日でも出来る」「馬に負担が掛からない」等のメリットがあり、馬の「作り込み」には適しています。(当然、馬を「仕上げる」事には不向き)

これでじっくりと馬を調整して手前を改善していくワケですね。これで、以前よりも苦手手前を使い易くなったり、苦手手前でも前脚が確り伸びるようになったりもします。

こういう馴致作業は本当に乗り手の技量が問われます。上手な騎乗者は本当に少しずつ、柔らかなリストワークで馬を徐々にバランス改善していきます。少しずつ、けれども早くと言うのが理想的な馴致です。ガラス細工を作るときにガラスが折れないように、ゆっくりゆっくり曲げていくのと非常に近いものがあります。

逆に、それこそグイグイ指示を出すと馬の筋肉が緊張してしまい、バランスの矯正が難しくなります。本来、ゴムを曲げる要領なのが、金属の棒を曲げるかのような感覚になりますね。

これはハミの操作に関しても同様で、普段から強い力でハミを使ってしまうと馬が軽い指示では反応しなくなったり、これとは逆にハミを常に強くとるようになったりもします。

馬の調教の世界では、ゆっくり、じっくり、確実にやるのが肝心なのです。これが、難しいんですが(汗)

因みに言わずもがな、馴致の成果には「個体差」がついて回ります。

得意手前が入れ替わる事は生涯無い(と思う)

苦手手前であっても、軽めの馴致を長時間行う事で改善でき得ると言う事を上記で述べました。

では練習すればするほど苦手手前を克服できるのか?という疑問も沸きますが、これは恐らくNO。

経験上ですが、得意手前が後天的な訓練により入れ替わる事は無い、と思います。右手前が得意な馬はどんなに左手前の練習をしても、生涯右手前の方が得意なのではないでしょうか。

手前は恐らく先天的に決まっている要因が大きく、非常にハッキリとしています。

特に馬術では頻繁に手前を替える、小回りが多いなどの理由から手前にはとても気を使います。厳密には全ての馬が左右どちらかの手前を得意しますね。左右全く同じに扱える馬は見た事がありません。ただ、レースや競技に大きな影響が出るのはあくまでも、かなりの程度で手前の扱いがアンバランスな場合だけですね。ちょっとくらい得意手前と苦手手前のバランスに差があっても基本的には問題になりません。

得意手前の方が速く走れる

当然ながら馬は得意手前の方が速く走る事ができます。このため、最後の直線で得意手前が出せる周回の方がその馬に適している傾向にあると言えます。

例えば右回りの阪神競馬場の場合、右手前でコーナーを回る事になるのですが、直線では(コーナリングで右手前が疲れているので)左手前で走る事になります。よって、右回りのコースでは左手前が得意な馬の方が有利と言う事ができるのです。

2013年の日本ダービーの際、キズナに騎乗する武豊騎手が、レース前の記者会見で「キズナは左回りコースは問題ないと思うか」と質問された事に対し、「キズナは右手前を多用するので、左回りは合っている」と回答していたのは非常に端的なテキストになると言えるでしょう。

まとめ

少し雑多に書いて見ましたが、まとめると

・苦手手前の改善は可能で、軽めの調教が適している

・訓練により得意手前が入れ替わる事はない(と思う)

・直線を得意手前で走れる周回の方が、実力を出せる可能性がある

という事になりますね。

ここまで、ご参考になれば幸いです。

人気ブログランキングに参加しています。この記事を読んで少しでもご参考になったと感じた方は是非、人気ブログランキングへをクリックして頂けると今後の励みになります。

コメント投稿もお気軽にお願いします!(メールアドレスを入力しなくても投稿可能になっています)

スポンサーリンク

スポンサーリンク

ツイッター登録も宜しく!

https://twitter.com/ARASHI3DAYU

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメント

  1. ぼたん より:

    こちらの質問に答えていただきありがとうございました。とてもわかりやすく参考になりました。やはりちゃんとトレーニング方法は確立されてるんですね。
    あと、人間が利き腕や足を後天的に変える事が難しい様に馬もそうなんだとわかりました。と同時に人間は圧倒的に右利きが多いけど馬はどっち利きが多いんだと疑問に思ってしまいましたw

    • アラシ より:

      原則、左手前の方が多いとは言われていますね。JRAの競馬用語辞典にもその旨が書かれています。

      私の経験上も、言われてみれば左手前が得意な馬の方が多いかも、とは思いますね。