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「モンキー乗り」その効果 ※再投稿

今日はモンキー乗りについて記事を書いていきます。 By アラシ

※この記事は2017年1月に投稿した記事の再投稿です。




|モンキー乗りとは

モンキー乗りとはいうまでもなく、現代の競馬で騎手が馬に騎乗する際に採用している馬の乗り方です。

両足でアブミだけに体重をかけて、重心を下げたり、空気抵抗を減らすために状態はクラウチングさせます(重心が高いと上体が少し傾むいただけでも大きなバランス変動になりやすい)。

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モンキー乗りで騎乗する騎手 (フリー写真)
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|昔はモンキー乗りではなかった

今では一般的となったこのモンキー乗り、実は20世紀初頭まではこの乗り方が考案されていなかったのはご存知でしょうか?

19世紀は下記絵画のように、鞍に直接座る騎乗が主流でした。

※本稿ではこの乗り方を「馬術乗り」と記述していきます。天神乗り、スリーポイント、騎座などの呼び名もありますが、一般的ではないので・・・。

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エプソムの競馬(1821年) 19世紀末まではこのような馬術乗りが一般的だった (フリー写真)
http://free-artworks.gatag.net/2013/09/18/160000.html

|モンキー乗りの考案

モンキー乗りの最初に考案されたのはアメリカで、その起源は18世紀とも言われていますが詳しい事は諸説あり、良く分かっていません。モンキー乗りをヨーロッパに広めたのはアメリカのトッド・スローン騎手(1874~1933)です。

トッドは1897年に英国に遠征、その騎乗が「木にしがみついているサル」の様に見えたので、揶揄する意味を込めて「モンキー乗り」と呼ばれたそうです。

しかし、トッドがこの遠征で53戦20勝とかなりの好成績を収めた事から、モンキー乗りが注目されイギリス他、ヨーロッパ諸国にも広まっていきました。

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モンキー乗りを世界に広めたトッド・スローン騎手:右側
写真は1899年撮影 (著作権保護期間を経過)

|モンキー乗りの効果

モンキー乗りの効果は非常に顕著で、20世紀初頭からレースタイムが一気に速くなっていきます。

下記写真の上段は1900年の英ダービー。

馬術乗り主流の状況下で、その時計は2分42秒でした。一方、写真下段は1913年の英ダービー。モンキー乗りによるレースでその時計は2分37秒6と、わずか13年の間に、エプソムダービーの時計は5秒近くも速くなり、以降2分40秒台を計時する事は殆どなくなります。

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(写真は著作権保護期間を経過)

エプソムダービーのタイム変遷は下記リンクを参照

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%83%BC%E3%83%93%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%82%B9

このモンキー乗りによる競馬シーンの革命は、当時の日本人も記録に残しており、獣医師 須藤義衛門は1913年に「競馬問答」と言う書において以下の旨を記述しています。

・英国の競馬は今や、アメリカ人騎手が主流で、英国人騎手はアメリカ流を取り入れていないと騎乗機会がない。

・有名な騎手であるエス・ローテス(1898年の英2000ギニー等を勝利したS.Loatesか)も、新式流儀(モンキー乗り)を採用した。

・モンキー乗りを採用しない強硬派を「英国本党」と呼ぶ。

・1900年の秋競馬ではモンキー乗り派が勝利を収めた。

当時米国よりトッド・スローと言う騎手が渡英してきていた。

・モンキー乗りが大勢を占める状況で、英国流の時代は過ぎ去っている

・オーストリア・ハンガリー帝国の競馬では、モンキー乗りの研究が熱心で、どの厩舎も米国人騎手を雇い入れている

上記の状況から、19世紀末から20世紀初頭にかけてヨーロッパでは馬術乗りとモンキー乗りの二派が存在していたものの、モンキー乗りが顕著に成功を収めていたため、ヨーロッパの騎手もモンキー乗りを取り入れていき、モンキー乗りが普及していった事が見て取れます。




|なぜモンキー乗りだと速い?

上記までの過程を踏まえると、馬術乗りとモンキー乗りではモンキー乗りの方が顕著に速いという事が推認できます。

では、なぜモンキー乗りは速いのか?物理でいう所の「仕事の量」が関係しています。

馬術乗りでキャンターやギャロップを行う場合、騎手の爪先から頭までの全身が、馬の一完歩毎に上下動します。つまり、馬が一完歩のたびに、騎手の全体重を持ち上げ、また、降下してくる荷重を受け止めるワケです。このため、例え56㎏の騎手を乗せている場合でもモンキー乗りに比べて大きな仕事の量が発生します。

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馬術乗りは騎手の全身が上下動するため、馬への負担が掛かる(フリー写真)
http://free-photos-ls04.gatag.net/images/lgf01a201408301400.jpg

対してモンキー乗りでは、上下動するのは騎手の下半身、特に膝下だけに留まるので、馬術乗りに比べて仕事の量が少なくなるため馬への負担が軽減され、速く走る事ができます。簡単に言うと「重心が安定する」と言う事ですね。

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モンキー乗りそのものは大して難しい技術ではなく、ある程度の騎乗経験があれば、誰でも出来ます。

しかし、アブミを短くして前傾姿勢で乗るだけなのにこれほど走行に差が出るとは、中々イメージ出きる事ではありません。

発想の柔軟さというか、モンキー乗りを考案したアメリカ人って凄いと思います。

この知識が皆様の競馬ライフを豊かにするために少しでもお役に立てれば幸いです。

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