★★★★超重要なお知らせ★★★★ アクセス過多でエラーが頻発する状況を鑑みて、ブログを別個新設しました。今後は、新 元馬術選手のコラムにて発信を行ってまいりますので、宜しくお願いします!!

【質問回答】背中の使える馬・2歳戦の価値

読者さんからの質問に回答していきます。

Q
アラシさんこんにちは。いつもテレビや新聞では決して得られない貴重な分析をありがとうございます。参考にさせていただいております。追い切りと直接関係ない質問ですがよろしければお答えいただければと思います。
それは、生産者や馬主側から見た朝日杯の意味についてです。先週のジュベナイルもそうですが、こうした2歳重賞を関係者はどの程度重要視しているのでしょうか。過去の出走馬を追跡してみるとせっかく上位に入った馬でもその後全く芽が出ず、というのが散見され、3歳からのレースで成績を残してくる馬とはその後が全く異なる気がしますし、クラシックレースを視野に入れるならもう少しゆるやかに育て上げた方が良さそうな印象を受けます。素人考えですがそうした3歳以降のレースで活躍することが本筋?と考えるとまだ2歳の馬に負荷をかける価値がどれ程あるのかと感じたりもするのですが、実際関係者にとってはどのような位置付けにあるのでしょうか。

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A

とりあえず、私は競馬関係者ではないので「関係者目線」での回答は出来ないのですが、あくまでも一個人の見解として、所見を述べたいと思います。

まず、2歳戦であっても重賞は重賞ですし、調教師にしても騎手にしても「賞金稼業」である以上、高額賞金のレースは当然、重要な意味を成すと私は思っていますし、馬主・生産者から見ても、馬が賞金を稼ぐ事はとても良い事と思います。

ただ、確かに、ダービーやオークスを目標と位置付けてステップ的なローテを組む2歳馬はいますし、2歳のうちからどんどんレースに出して、2歳戦こそ本線であるような馬もいますよね。質問者さんはこの違いについてお聞きになられたいものと感じます。

これは、私なりの見解で述べさせて頂くと、「仕上がりの差」に起因するケースが多いに私は思います。もし私が調教師だったら、仕上がりの進んでいる馬は可能な限り早期から、なるべくコンスタントにレースに使っていくと思います。

預託を受ける関係上、全馬一律に10月デビューなどは馬房のローテーションに支障がありますし、厩舎の運営上、難しいと思います。仕上がっていれば7月、8月にデビューさせて、馬によってはその後放牧して、10月デビュー馬を入厩させるなどのやりくりは現実的に必要ですし、どうしても一頭一頭の最適なローテーションを描くのは、その馬が余程の期待馬で無い限り難しいと思います。

「仕上がり」と言っても要素は多岐に渡りますし、何を以って「仕上がっている」と定義するのも、人によってまちまちなので、長くならないよう一端だけ書いていこうと思います。

何を以って「仕上がっている」と判断するか

多くの場合、身体的・精神的な部分を総合的に見て判断しているとは思いますが、見るポイントがかなり多岐になるので、ここでは身体的な面、とくに「背中の使い方」のみ言及していきます。これは実際に馬の仕上がりを図る大なる要素ですし、競馬新聞を見ていても「背中の使い方」に関しての厩舎コメントは見る機会が多いのではないかと思います。

これ、馬乗りの中ではよく使う表現なんですが、一般の人にはよく分からない表現なんですよね・・・。というか、乗った人にしか分かりえない事だったりするのですが(汗)

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背中の使える馬とは

まず、馬は生来「特に人を乗せるための体の構造を持っていない」と言う点に留意が必要です。(ただし、走行の時に背中が歪曲しないなど、乗る事に適した構造ではあります)また、競走するためには訓練を積まないと、持っている力を最大限に発揮する事もできません。

なので調教によって、体を作っていく必要があるワケですね。

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フリー画像:引用元http://free-photos.gatag.net/2013/06/14/220000.html

上記の写真。

見ての通り、当然の事ですが、馬が速く走行するためには後肢を確りとお腹の下まで踏み込む必要があります。キャンター→ギャロップ→ギャロップ全力疾走など、速度(歩度)を上げていけば上げていくほど、この踏み込みは深くなります。

それで、この踏み込みなのですが、訓練しないとフルにお腹の下まで踏み込めるようにならないんですね。

どうやって訓練していくかと言うと、「ハッキング」と言う非常にゆっくりなキャンターでじっくり時間を掛けて調教していきます。

ハッキングの際、1.後肢を確り動かすように馬に指示を送る事、2.やや手綱を引いてブレーキ状態を無理なく維持する事の2点を確り行う事が重要です。

1の指示によって、後肢を踏み込んで前に前に進みたい、だけど2の指示によってブレーキがかかっているので前進に一定のパワーが必要となります。

これによって、人間で言うと重いものを押していくような、筋トレ効果みたいなものが馬に発生するワケですね。

このハッキングによってトモの筋肉が鍛えられ、馬は後肢を確りとお腹の下まで踏み込む事が出来るようになります。負荷が軽いので、何日も長時間連続して実施出来るというメリットもあります。トレセンで時計を出す追い切りとは、ここが大きく違いますね。

追い切りは馬の前進気勢を高めるのが大きな目的で、速く走るためにはむしろハッキングによって地道に馬をトレーニングしておく前準備が肝要だったりします。

それでようやく「背中を使える」と言う話に入ってくるのですが、

後肢を確り踏み込める→トモの筋肉が発達・躍動している→地面を蹴る力が強い→地面を蹴ると背中が高く上がる→背中が高く上がるとその分後肢を深く踏み込める・・・

と言う循環的な図式になります。これにプラスして、馬は後肢を踏み込むと、背中の筋肉が伸長する体の構造になっているので、この背筋の張力により、騎乗者の荷重を重く感じにくくなるメリットもありますね。

確りとハッキングを行い、後肢の出来上がっている馬は背中の上下動に富んでおり、この躍動感から馬乗りは「この馬は背中が使えている」などと表現するワケですね。

なので「背中の使い方がまだ固い」とか「後肢の踏み込みが浅い」「後脚がついてこない」と言った表現が用いられる馬は、今後良くなってくる余地があったりします。馬のスピードは後肢によって作られているので、ここが出来ていないと言う事はまだ上積みがありうる、と覚えておくと良いかと思います。

それで、この後肢の仕上がりは結構、個体差があるんです。

同じ負荷を掛けても早め出来て来る馬もいれば、出来てこない馬もいます。幼駒の場合、乗り込み開始が早いか遅いかの違い等も出ますしね。

こうした側面から個体毎に仕上がりの差が出てきます。必然的に「いつごろレースに使えるか」と言う差も出てきますし、「本格的に使っていくのは背中が出来てから」と言う判断も生まれてきます。

もし2歳時点で十分に背中が使える等、仕上がっていればあまりレースに出し惜しみする必要はないと私は思います。

冒頭述べた通り、馬の仕上がりを判断する要素は身体面・精神面から多岐に渡るので、「背中の使い方」だけでは馬の仕上がりは判断できず、実際にももっと多様な観点からの判断があるのですが、ここでは仕上がりを判断する大きな材料である事、新聞などでも良く見かけるフレーズであるため、取り上げてみました。

ご参考いただければ幸いです。

今日はここまで

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コメント

  1. ホワイトデビル より:

    こうやって馬の走る時のメカニズムを、しっかりと説明してもらえるとなるほど!っと思えますね。これは馬に乗ったことのある人にしか分からない感覚ですね~でもこうやって論理的に説明して頂けると感覚が分からないなりにも理解が深まりました。

    • アラシ より:

      この手のコラムは案外需要が少ないんで、昔からたまに投稿する程度ですね。
      ただ、一方でかなりハマって下さる方もいるので、今までよりは多く投稿しようかな。

  2. 関東親父 より:

    以前、キャプテンベガという馬に対して
    「背中がやわらかい」「乗り味がすばらしい」という言葉が連呼されたのを思い出しました。
    その割には期待ほどの成績ではなかったので
    結局なんだかわからない表現だな~、と思っていましたがやっと理解できました。

    • アラシ より:

      まー、背中の感触が良いから必ず強いと言うことにはなりませんからね~。他にも競走馬を構成する要素は一杯ありあすからね。

      ただ、乗り味は例外なく良いんですよ~。

  3. カラシ より:

    こんばんは。
    質問にお答えをいただきまして本当にありがとうございます。またこれほど詳しくご回答をいただけるとは思わず、何か申し訳なくなってしまいした。
    競走馬を作っていく際にこうしたステップがあることを初めて知りましたし、フォームのことなど何も知識がありませんでしたので大変興味深く読ませていただきました。
    ちなみに今日の朝日杯はとれませんでした。アラシさんの見解を参考にサトノアレスとボンセルヴィーソまではピックアップできたのですが…デムーロ人気の6番はともかくまさか1〜5人気がふっとぶとはさすがに想定外でした。
    しかし、有馬記念はなんとかしたいものです…。今後ともよろしくお願い致します。

    • アラシ より:

      これがウチのブログのクォリティなのでお気になさらず!

      専門的なことをなるべく分かりやすく、かつ詳しく解説するのが「元馬術選手のコラム」なのです!

  4. 匿名 より:

    素人目から見て先日勝ったサトノクラウンのような馬始まります頭が高くアラシさんの言う背中を上手く使う事が出来てない様に見えるのですが、人間にも癖がある様に馬にも癖があるのでしょうか?

    • アラシ より:

      鋭いですね。
      頭を高く上げると背中の位置が下がるので背中が使えず、後肢を踏み込みにくくなりますね。

      馬にもクセは当然ありますよ。全ての馬が同じフォームで走る事はないですね。

  5. 鈴木 より:

    いつも拝見させてもらってます。
    YouTubeでのトントン乗りや手前など技術的な解説も楽しく読ませてもらっています。
    レース毎の馬の状態や騎手の位置どり、仕掛けのタイミングなど普段見ても分かる事以外の知識が広がり助かっています。
    有馬記念の追い切り解説も期待しています。
    これからも頑張ってください。

    • アラシ より:

      ありがとうございます。
      トントン乗りの解説は、トントン乗りの理解を広めるのに一役買ったと自負しています(汗)

      こういうコラムを書けるのはブログならではなので、今後も定期的に出していこうかと思っています。

  6. […] 【質問回答】背中の使える馬・2歳戦の価値 […]

  7. 匿名 より:

    すごくよくわかりました。
    新聞記者あがりの競馬評論家の話よりずっと面白いです。

  8. gandhi より:

    見落としていましたが、、
    こういう記事は好きです!
    勉強になります。

    動画見返せないですが、、
    去年ロイカバードの走法に言及ありましたよね。
    首を伸ばすのが格好よく見えます。

    サトノにずいぶん離されましたが、
    東京新聞杯で
    ようやくエアスピネルと対戦みたいで、
    善戦を期待しています。

    重賞が手薄?な時期などで
    こういう記事もあったらうれしいです!

  9. best buy promo より:

    Thank you Kris! After hearing two days ago that my #s were climbing, now scheduling new tests, waiting for results, this is just what I needed to deal with the fear. I will practice your advise.

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