★★★★超重要なお知らせ★★★★ アクセス過多でエラーが頻発する状況を鑑みて、ブログを別個新設しました。今後は、新 元馬術選手のコラムにて発信を行ってまいりますので、宜しくお願いします!!

馬をおだてる?支配下に置く? 福永騎手と川田騎手の違いは

先日(2016年12月上旬頃)放映されたあるテレビ番組に福永騎手と川田騎手が出演。

両騎手の「馬へ接し方の違い」についてトークする場面があった。

それによると、両者の馬への接し方は

川田騎手

・とにかく馬を支配下におく

・自分がボスである事を馬に知らしめる

・大人しい馬にはそこまでしないが、性格の難しい馬に騎乗した場合、そのような対応をとる。

・支配下に入って大人しくなった馬は、愛撫して誉める。

福永騎手

・牡馬・牝馬でも分ける

・「どの馬も支配下に置く」という事はしない

・馬によっては「おだてる」「褒めてのばす」

・馬が悪癖を出しても叱らない

・その馬がどうすれば「ヤル気をなくさないか」「頑張れるか」を見抜くのが大事 例:「ここで怒ってはいけない」、逆に「ここは怒らないといけない」等

と言う違いがあるとの事だった。

「支配下に置く」はともかく、馬を「おだてる」と言うのは多分、殆どの人がピンと来ないと思うので、今日はここを取り上げてみたいと思う。

|原理原則は「支配下に置く」事

馬への接し方はあくまでも「人間が馬より上位の立場」である事が大原則としてある。

番組を見ているとついつい川田騎手はどんな馬でも常に支配下に置き、福永騎手は常に馬をおだてて乗っているかのような印象を受けてしまうが、そのような事は技術的にありえない。

番組を注意深く見ていると、実際、川田騎手「大人しい馬にはそこまでしない性格の難しい馬に騎乗した場合、そのような対応をとる。」、福永騎手「『どの馬も支配下に置く』という事はしない」「馬によっては『おだてて』乗る」と発言しており、全ての馬を同じに接しているのではなく、馬の性質によってはこの様に乗ると発言しているので、ここは十分に留意すべきだと思う。

騎乗や荷役、牽引のために調教される馬は皆、「人の指示を受け入れる」よう調教されている。

したがって、指示を出すべき存在の騎乗者は馬上で毅然としているべきであり、馬よりも自分が優位の立場に立って指示を出すとの意思が原則的に必要不可欠。優柔不断な態度で騎乗する乗り手は、馬に侮れられてしまい、この結果「人>馬」の立場関係は崩れ、馬が人の指示を聞かなくなったり、反抗を示したりして結局いつしか人を乗せる事が出来なくなってしまう。

ここは馬の乗った事の無い人にはピンと来ないかも知れないが、馬はゾウやセイウチに匹敵するほどに知能が高く、「人間の指示に従ってもメリットはない」という事を確り認識している馬はかなり多い(勿論とても素直で悪い、気持ちを起さない馬もいるが)。ここは後で別に記事を立ててみたいと思う。

上記まで述べたとおり、福永騎手も川田騎手も原則としては「馬を支配下に置いて」騎乗しているのであり、それは馬と人との関係を維持する上で崩しては行けない鉄則だ。

|「おだてるか」「支配下に置く」か

川田騎手が番組で述べていたように、「性格の難しい馬に騎乗した場合」においては「馬<人」の関係は通じず、乗り手は対応を要求されることになる。こうした難しい馬は上記の通り、「人間の指示に従ってもメリットはない」という事を既に悟っている等の場合が多く、人の指示には拒絶的だったり消極的だったりする。これも程度の差がかなりあり、全く受け入れようとしない馬から、ある程度は聞いてくれる馬もいるし、拒絶の反応も様々だ。

ここで「馬をおだてるか」「あくまでも支配下に置くか」―。

その選択のどちらを選ぶかは、流派や性格、競技環境によるのかな?と思う事が多い。

例えば、地方競馬(出身も含めて)の騎手で「馬をおだてる」タイプの騎手は比較的少ない。レースが短距離に集中している事、先手を取る事が重要である事、出走間隔をつめなければ行けない事などの事情からか、馬の心情に合わせていられないのだと思う。とにかくギッチリと馬を動かす事の方が重要で、馬の方の走る気持ちを引き出す事にはあまり重きをおかず、無理やりでも良いから指示を聞かせる騎乗が多いように思う。

※一見馬に負担が掛かる扱い方だが、実はこの接し方も決して間違ってはいない。地方競馬で活躍できなかった馬の行き先は良くて乗馬、通常は廃用になるのが定めなので、とにかく数多くレースに出走させて賞金や手当てを稼ぎ、使いこんででも現役でいられる期間を延ばす事は、決して馬の福祉に反しないと思う。

私は「おだてて乗る」流派の人間で、師匠がその騎乗法にかなり軸足を移している人だったので、ウチの門下は人一倍そういう傾向の乗り手が多かったと思う。師匠から「馬と人がケンカしたら最後は人が負ける」「馬が機嫌を悪くしたら動くモンも動かなくなる」と叩き込まれるので、支配下に置く騎乗というのは引退するまで頭の中に選択肢すらなかった。

今は、たまにビジターで色々なクラブに乗りに言ったりするのだが、「もう少しガッツリ乗っても大丈夫」「もっと強気で良いよ」と支配下に置く騎乗を勧めてくる指導員が結構いたりして、馬術屋の中にも「支配下派が結構多くいる」というのは、引退した後に気付いた。確かに、ウチの師匠はムチの使用も厳しく制限する程で「ムチを使わんでも馬が動く方法を考えて乗れ!」と、一介の馬術選手であった私らには中々酷というか、難解な指導をしてくるので今思えば結構極端な指導をうけていたよーな気もする。

|馬を「支配下に置く」

性格の難しい馬に騎乗した時に、あくまで「馬を支配下におく」騎乗を選択してみるとする。

まず気難しい馬が自分の指示にいきなり従ってくれる事はなく、なんらかの拒絶や反抗を示す。ここで、人間の足で馬のお腹を圧迫したり、蹴ったり、時にはムチを使って、「その反抗はダメだよ!俺の言う事を聞いてくれ!」と馬に促す。馬によってはここで乗り手が自分より上である事を認めて、その後は案外素直に動く。よく「観念させる」とか表現するね。

また馬によってはここでも反発し、最初より余計に言う事を聞かなくなる。そこで乗り手は更に強い指示を出す、馬によってはそこで動くようになるが、馬によっては更に余計に指示を聞かなくなる、そこで乗り手は更に強い指示を出す・・・(以下ループ)

なので、「支配下に置く」乗り方は、馬がそこで言う事を聞いてくれればかなりアッサリ馬を動かせるようになるメリットがある反面、騎手と馬とが一歩も譲らぬケンカ状態になり、まったく馬が動いてくれなくなるという危険性も孕んでいる。

それと、馬が人を乗せる事に対してのネガティヴイメージがどうしてもつき易いため、馬によっては急激に使い減りする可能性もある。反面、確りと聞き入れてさえくれれば馬が悪癖を出さないようになる効果も期待はできる。

「支配下に置く騎乗」と「おだてる騎乗」でどちらが良い・悪いという事はないのだけど、私がおだてて乗る派なので、書ける事はあまり多くない。どうしても支配下に置く乗り方は個人的な価値観からもなじまないね。

|馬を「おだてる」

では、性格の難しい馬に騎乗した時に「馬をおだてて」乗ってみよう。

この「おだてる」と言う表現は非常に抽象的で、馬乗りの中でもライセンス保持者クラスにならないと全くピンと来ないくらい難しいのだけど、ロジックそのものは理解してしまえばた易い事だったりもする。

ただし、実際にその騎乗を実行するのは結構な精神的なキャパシティーが必要な事なんだよね。

上記に書いたとおり、気難しい馬は人の指示には基本的に従わず、反抗を示す事だって多い。馬をおだてるにはここで、矯正のための指示などは一切出さずに馬の行動と気持ちを尊重する。ここは福永騎手が番組でも述べていたのと全く一緒。こうする事で馬は人を乗せる事をそこまで苦痛には思わず、気分を害さないで動いてくれる。「柔よく剛を制する」騎乗なのだ。

この騎乗は馬が悪癖を出す事を敢えて容認する乗り方で、馬とケンカになるのを回避する事に主眼を置く。馬に「あれもこれも確りしなさい」と言う指示の出し方はせず、要所の1つなり数ヶ所なり、どうしても指示を聞いて欲しい所に絞って指示を出すのだ。馬は指示を殆ど出されていないので嫌気がさしておらず、少しの指示なら「まぁ、いいか」と聞いてくれる。要点を絞って指示を出す方が、かえって馬が動く事もあるのだ。

「おだてる」と言うよりは「馬と取引して乗る」と言う方が、この騎乗を習得し始める競技者にはピンと来ると思う。

この騎乗方法を読んで「横山典弘」の名が頭に浮かんだ方は察しが良いと思う。近年、競馬ファンの注目を集めている「ノリポツン」はこの騎乗方法を究極まで突き詰めた乗り方だと私は思っている。

つまり、「ゲートも出たなり、馬群にも近寄らない、道中は一生懸命にならなくても良い。その代わり最後のスパートだけは本気を出してね。」と馬と交渉した乗り方で、この結果、こまごました指示を出されていない馬は機嫌をあまり悪くせずに、最後の指示だけは確り聞いてくれる。サイレンススズカの大逃げも同義のものがある。

実は3年ほど前の2014年にnetkeiba.comで、非常~に奥が深い漫画が掲載されていた。一見ほんわかする漫画なのだが、ノリさんが監修していたらしくとても意義深く、馬乗りの極意が詰め込まれた漫画で感銘を受けたものだ。とても参考になるので、是非下記リンクを参照して見ると良いと思う。

http://news.netkeiba.com/?pid=column_view&cid=25852

|「おだてる」のは騎乗者の精神度量が必要

上記までを読んでみると、馬をおだてるのは=「指示を最低限に絞る」という端的な形まで行き着き、実にロジックとしては単純である事が分かると思う。実際ホントに単純な事なのだけど、これを実践するのは難しい。

今まで「ノリポツン」を実践した騎手が中央競馬にいなかった事からも、「おだてる騎乗」を究極的な形で実行する難しさは分かると思う。

何が難しいかと言うと、「馬の悪癖が出ても容認する」度量を持つのが難しいのだ。特に、乗り手が若いうちは技術の習得に必死になっているので、どんなクセ馬が相手でも、どうしても確り乗ろうとしてしまい、結局まとまらなくなる傾向が強い。

私も若い頃、馬の悪癖を許容しようと頭で分かってはいたとしても「ここと、ここ、それとここくらいは聞いて欲しい」と、ついつい注文の数が多くなってしまい、結局中途半端にしか乗りこなせない馬は何頭もいた。今なら、引退した身で技術の向上に拘りがない分と、歳をとった分とで馬をおだてる事に関しては昔より出きる下地があるかもしれない。

「馬に反抗される=舐められる」という事でもあり、これに単純に腹が立ってしまう血気盛んな乗り手もいる。こういうタイプの乗り手は馬をおだてる騎乗には、そもそも人格が向いていない、と思う。

また、冒頭述べたとおり、「人>馬」の原則を敢えて崩す乗り方でもあり、馬が「ふざけても大丈夫」と悪癖を出しても良いと誤認してしまうデメリットもある。ただし、その反面、人を乗せる事にそれほど嫌気を感じず、くたびれにくくなるというメリットもあるが。

それと、見た目がどうしても不恰好になってしまい御せていない様に見えるので、「上級者のプライド」が邪魔をする事もある。実際、B級ライセンス持っている程度じゃ威張れる程でもないんだけど、それでも悪癖見え見えの様を、外部に晒すのは抵抗が当時あった。

「馬に舐められても結構」「舐められているのを逆手に取って、おだてて言う事を聞かせる」と言う境地にたどり着くには、成功・失敗を含めて相当な経験が必要であり、ロジックが簡単であるからと言って、それを実行するには、確かな経験と技量に裏打ちされた精神的度量が必要であり、即座に体得するのは中々に難しいものなのだ。

|最後に

ここまで、「支配下に置く騎乗」と「おだてる騎乗」について概説部分をざっくり説明したみた。原則は「人>馬」の関係であるけども、それが通じない馬に対してどう乗るか。

クセ馬に騎乗する事は競馬の騎手は勿論の事、馬術選手でも避けて通ることは出来ないし、こういう馬を乗りこなせれば更なるレベルアップにもつながる。

「この騎手はどういう事を考えてこの騎乗をしているのか」と言った部分に着眼してレースを見れば、また競馬の見方も広がってくると思う。

ちょっと専門的な記事になってしまった感もあるけど、この記事が皆様のお役に少しでも立てれば幸いです。

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コメント

  1. ホワイトデビル より:

    ノリポツン!そう言われりゃ究極のおだてて乗る騎乗ですよね!確かに歳を重ね精神的に度量がないとできないですよね~ジャンルは全く違いますが、私も仕事で昔は部下を支配下に置く事ばかり考えていましたが、今は幾分か歳をとったせいか若干、自由にさせておいて、いざって時にいいパフォーマンスを出してくれればいいかなと、多少の事は我慢できるようになりました(笑)ノリさん程ではないですけどね(笑)

    • アラシ より:

      そうなんです。ノリさんみたいな乗り方なら、大体の馬が一回だけキチンと動いてくれたりします。
      ただ、馬群から離れた所を追走するのは相当な信頼と度胸が必要だと思います(汗)

  2. 訓練の人がすごい乗り手であれば、馬のやる気はなくならないでしょうね。若い未熟な人に任せるのは危ない。

    • アラシ より:

      そこですよね。
      でも自分も含めて「良い乗り手」というのは本当に少ないと思います。
      上手い人は何でこんな少しの指示で馬がキッチリ動くんだろうと思ってしまいますわ。

  3. taka より:

    ツイッターでリンクされてるこの記事の参考動画が見れなくなってます・・・

  4. ぽるころ より:

    会社などの人間社会もこんな感じですね、なるほどという記事でした。勉強になります

  5. […] 馬をおだてる?支配下に置く? 福永騎手と川田騎手の違いは […]

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